世界中の熱帯低気圧のデータを分析してみました。

そろそろ台風の季節になってきました。そこで、世界中の過去の発生状況やコースについて知りたくなったので、調べてみました。

データの入手先として思いつくのは気象庁ですが、残念ながら使い勝手の良い欲しいデータはありませんでした。

そこで、他に探してみると、さすがアメリカ、世界中のデータがあります。熱帯低気圧については、なんと1842年からデータがあります。

National Hurricane Center北米を中心としていて、ハリケーン情報が豊富
National Centers for Environmental Information世界中の熱帯低気圧の情報があったので、ここのデータを使用。
NASA Earth Data欲しい時系列データがなかった。

さっそくデータを入手して(ただし、324MBもありますので、記憶容量や通信費用などには要注意)、分析してみました。使うデータは、それぞれの熱帯低気圧を識別するID、日時と位置情報(緯度、経度)だけでよいので、それらを抽出して、Pythonを使って描かせてみました。赤い線が熱帯低気圧の軌跡です。

なお、こちらに年度別のデータを置きましたので、興味のある方はこちらもどうぞ。

世界中の軌跡を見ていると、おもしろいことがわかります。たとえば、南米やアフリカ大陸の西側ではほとんど熱帯低気圧が見られません。熱帯低気圧は海水が蒸発することで発生しますから、冷たい海では発生しません。つまり、これらの地域は寒流の影響で熱帯低気圧が発生しないということがわかります。(2004年に初めて南米で台風が発生したことがニュースになりました。)

1945年の方が台風が多かったようです。

これがちょうど日露戦争の時。今と比べると少ない感じがしますね。

出典:NOAA(National Centers for Environmental Information)。熱帯低気圧を識別するID、日時と位置情報(緯度、経度)を元にデータを加工。
なお、加工したデータはNOAAによって正式に公開されたものではなく、NOAAの見解や政策を示すものではありません。

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