連鎖倒産の丸信工業、見せかけ商品移動のワナ見抜けず
水素水サーバーやポンプ用品の販売を手がける丸信工業(東京・渋谷)が5月8日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。外部から持ちかけられた新規事業が不透明な取引に姿を変え、最終的には架空取引のワナを見抜けず連鎖倒産してしまった。
2024年8月7日 日本経済新聞
「架空取引のワナを見抜けず」ということはないでしょう。おそらく薄々おかしいなと気付いていたが、目をつぶっていた、というのが真相だとは思います。
具体的な内容は以下の通りだ。まずテック社が丸信に注文書を発行。次に丸信がテック社に発注書を発行し、手形を振り出して商品を仕入れる。仕入れた商品はすぐにテック社に販売され、外部への実際の販売はテック社が行う。丸信は、外部に売れた販売代金として、手形の額面に5%上乗せされた現金をテック社から受け取る。しかもその入金日は手形の支払期日より早く設定される、というものだった。
条件の良すぎる新提案を受け入れたことで丸信の業績は急拡大する。
同上
これって、クレジットカードで商品を購入して、それを売って現金化する「クレジットカードの現金化」とスキームは同じですよね。
こうなると自転車操業ですから、止めたら即終了です。なので、破綻するまで突き進むしかなかったのでしょう。