日経平均株価4451円安 下げ幅ブラックマンデー超え最大
5日の東京株式市場で日経平均株価が急落し、前週末比4451円(12%)安の3万1458円で終えた。下落幅は米国株急落が世界に飛び火したブラックマンデー翌日の1987年10月20日の3836円安を超えて、過去最大となった。
2024年8月5日 日本経済新聞
日経平均3217円高の3万4675円 上昇幅は過去最大
6日の東京株式市場で日経平均株価が急反発し、前日比の上げ幅は3217円(10%)高の3万4675円で取引を終えた。上昇幅は過去最大となった。
2024年8月6日 日本経済新聞
連日、株式相場、為替相場の乱高下で、当事者の方々は大変だったでしょうね。寿命が縮んだかもしれません。
最近はアルゴリズムトレードの比重が高く、一方向に動きやすくなっています。また、今回のような大きな変動では、大量のロスカットが発生して、それが売りが売りを呼ぶ状態になって、相場が増幅したと思われます。昨日、一昨日の場合には、サーキットブレーカーが発動されたり、全面売り、全面買いの状態で、まったく取引が成立しない、という状況では、仮に相場に参加してもまともな取引はできなかったでしょう。
株急落、増幅した「プット売り」 「相場安定」過信の取引あだ
日経平均株価は最高値をつけた7月11日から1カ月もたたずに25%(1万円超)もの急落となった。下落を増幅したひとつにオプション取引がある。相場の安定を過信した取引があだになった。
「株安への備えにコストをかけるのはバカらしいという風潮があったので。結果論だが、何が起きてもおかしくないとは思っていた」。
2024年8月6日 日本経済新聞
オプション取引とは、「保険」なのですから、そもそもこのようなものです。特にプットの売りポジションはコールの売りポジションよりも怖いです。今回のように急落することが多いからです。
急騰する方が珍しい。もう10年以上も前になりますが、私もコールの売りポジションは何度も実施して、一度も損失が発生したことはありません。売りポジションは「保険料」に相当するオプション料が入ります。ボラティリティを注意深く監視していれば、コールの場合は適切な権利行使価格を選択すればイン・ザ・マネー(コールの場合は、権利行使価格を上回ること)になることはほとんどないので、SQ日まで放置することでオプション料を丸々手にすることができます(ボラティリティを注意深く監視、という点に注意。また、権利行使価格が実価格よりも離れるほど安くなります。ボラティリティが低いとオプション料が安くなりますが、安定して小銭稼ぎができます(毎月数万円)。今回のようにボラティリティが大きくなるとオプション料が高くなりますが、それだけリスクも高まりますので注意が必要です。わたしなら一時休戦します)。
多くの投資家は買いから入ります。売るためにはまず買う、というイメージが多いと思います。逆に、持ってもいないものを売る、というイメージはなかなか持てないでしょう。
そのため、よほど手慣れていないと、信用取引や先物取引きの売り、プットの売買といった取引には手が出しづらいと思います。基本的に買いは損失が投資額に限定されますが、売りは損失が理論上は無限大ですので、それも恐怖を煽る一員となっています。
プットの売買が成立するためには、プットの売りポジションを誰かが引き受ける必要があります。しかし、プットの売りを引き受ける度胸のある人がそんなにいるはずもなく、証券会社が主体となっているというのが現実のようです。そうなると、今回のように相場が急落すると証券会社に莫大な損失が発生しますので、その損失を回避するために日経平均先物を売る(日経平均が下がるほど利益になる)必要が生じます。つまり、相場が下がったので、損失回避のためにさらに売って、それがさらに相場を下げる、という、システム上の問題で、売りが売りを呼ぶ状況が生じていることになります。
このように、いろいろな要因が複雑に絡み合っていますので、今回のような異常な時には、何もせずに様子見するのが正しいです。人間はそれほど強くないので、下手に飛び込んだ途端に巻き込まれ、冷静さを失い、損する可能性が高いです。投資は長期が基本です。デイトレードは精神衛生上、良くありません。
ちなみに、こちらのサイトで毎週、AIによる相場予測をしています。しかし、このような歴史的な乱高下までは予測できませんから、今週は意味のない予測となっています。しかし、これらも学習対象となっているので、今後の予測が楽しみです。