絵が上達するための6つの視点

そらかぜ

学校の授業で、「絵は自由に描きなさい。見たままを描けばよいのです。」と言われたけど、どう描いたらいいか、わからない。難しいよね。

絵を描くのは、難しいです。わたしも苦手でした。しかし、絵を描くというのは技術であり、練習さえすればある程度は上達するものだということがわかりました。

といっても、間違った考え方ではいつまでたっても苦手意識が残ってしまい、「自分には才能がない」、と思い込んでしまいます。そこで、参考になる視点についてまとめてみました。

目次

絵を自由に描くのは難しい

小学生の頃、絵の授業では、このように教わりました。そんな漠然としたことを言われても、という感じで、おかげでうまく描けずに、絵を描くことが苦手になりました。同じような方が多いと思います。

しかし、今では、なるほど、見えるものを見たまま描く、確かにそうなのだと思います。

実は見ているようで、見ていない。ということが非常に多いです。実際、ほとんど見ていないのではないかと思います。散歩していて、突然空き地に変わっていると、ここには何があったのだろう、と思い出せないこともあります。

描くとなると意識してよく見ないと描けません。顔を描くのであれば、目と鼻の位置関係、耳の形、形、など見なければならないことがたくさんあります。記憶だけで描こうとすれば子供の落書きと同じような絵になってしまいます。

そして、見るだけではなく、もう一つ重要なことは、見たことをそのまま手に伝達する能力を鍛えることです。見たことを表現するには、手で描かなくてはなりません。ところが思った通りに手は動きません。

目と手を連動させること、これも訓練すればでできるようになります。

見たままを描く

今までに見たことがないものを描くことはできません。たとえ空想であっても、それは過去に何かしら目にしたものの再構築にすぎません。

絵は見たままを描くのが基本です。

しかし、見たままを描くと思っていたものと違った結果になることもあります。特に人物画を描くとそれが如実にわかります。見たままを描かないと子供の絵のようになってしまいます。かと言って、忠実に見たままを描こうとすると、描きすぎてしまうことがあります。特にシワは要注意です。描きすぎると年寄りに見えてしまいます。服もクシャクシャっとして汚らしくなってしまいます。

そこで、次に、描くべきところと描くべきではないところをいかに見分けるか、の訓練が必要になります。省略の技術が必要になってきます。

単純に見たままを描いても、見た通りにならない。そのさじ加減が難しいです。

色彩について

物理的には、色彩は存在しません。物理的に存在するのは、さまざまな波長の光です。

色彩は認識するものです。

人間が見ている花の色は、昆虫にとっては違う色に見えるそうです。目に入ってきた光が網膜に写され、色覚細胞を刺激することによって色が認識されます。この色覚細胞や神経に異常があれば、ある色が認識できなかったり、別の色に見えることになります。

わたしの見る赤色と他の人の見る赤色は違う可能性があります。お互い、それが自分自身にとっての赤色なのです。

光と陰を操る

絵を描く上で必要なのが、光と陰です。

光がなければ何も見えません。かといって、光だけあっても、すべてが白くなってしまい、モノが認識できません。陰があるからモノが認識できるといえます。

陰影を操ることができれば、メリハリの効いた、立体的な絵が浮かび上がってきます。

絵は錯覚です

絵は錯覚で成り立っています。

3次元のものを2次元画面に反映させるため、いかに2次元上で3次元に見えるかを工夫しなければなりません。その手法の一つがパース、つまり、遠近法です。

また、輪郭線というものは本来存在しません。あるのは境界だけです。海のかなたに水平線が見えますが、そこに本当の線は存在しません。地球が球体であるため、見える側と見えない側の境目が水平線として見えているだけです。

写真のような絵は必要か?

写真のような絵を描くことに意味があるのか、考えてみたいと思います。

写真も印画紙にインクを載せていくだけなので、仕組みとしては絵を描いているのと同じです。点描という技法の一つですね。

写真と同じような絵を描こうとするのであれば、それは機械ができることをわざわざ手間暇をかけて同じことをやっているにすぎません。

もちろん、「これ手で描いたの?すごい」と賞賛されるかもしれません。しかし、写真と区別できないほど精密な絵を描いたところで、だったら写真でいいじゃないか、とも思ってしまいます。確かにすごいとは思うけど、「すごいね」で終わってしまっては悲しいです。

人間の眼はカメラに似ていますがカメラとは違います。

写真を見て、実際とは違う、と感じることがあると思います。絶えず眼球が動き、自動絞り機構によって、驚くほど精密に景色を見ています。薄暗い時間だと写真では黒く潰れてしまっていても、人間の眼はその薄暗さの中でもはっきりとモノを区別することができます。

写真は人間の眼よりも限られた範囲でしか再現できません。

人間の眼に写り、脳が解釈したものをアウトプットしたものが絵画ですから、それは写真とは自ずと異なってくるはずです。

デジタルイラスト、マンガを作成するための定番お絵描きソフトです。

わたしも愛用しています。(フルスペックのEXを使っています。)

AdobeのPhotoShopはCS6までは買い切りができましたが、今はサブスクしかありません。Illsutratorを使うためには、さらに追加費用がかかります。毎月費用がかかる上に安くありませんので、そこが導入のネックになると思います。

PhotoShopでもお絵描きができますが、もともとはレタッチソフトです。高機能ゆえに使い方も難しいです。

これに対して、Clip Studio Pro/EXは買い切りもあり、イラスト・マンガ制作に特化しているため、非常に使いやすいです。イラスト制作がメインなら安価なProで十分だと思います。

また、使っている方が多いので、困ったらネットで検索すれば大抵の問題は解決します。また、書籍も豊富ですので、比較的早くソフトに慣れることができます。

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