輸送運賃の価格は決めにくい

輸送運賃 どんぶり勘定、荷主不満 運送会社「国の指標に追随」/化学業界「根拠見えにくい」

新型コロナウイルス禍やウクライナ危機に伴う世界的なインフレ基調は、日本の企業人にも値上げ交渉という仕事の重要性を高めた。その過程では、業界内や業界間の既存の取引慣習や価格決定のメカニズムへの疑問が浮き彫りになった例も少なくない。「貴社の値決め、時代にあっていますか」。価格交渉を問い直す現場を追った。

「運送会社の値上げ額の説明が雑。『物流の2024年問題』という社会風潮のため受け入れざるを得ない…

2024年11月14日 日本経済新聞

輸送運賃については、どんぶり勘定は仕方ない面があります。

運送会社は、荷物を送り届けたら、トラックは戻ってこなければなりません。荷台がカラでは帰りは空気を運んでいるようなものになってしまいます。また、荷台に100%載せていなければ、残りの空間は空気を運ぶことになります。そうなると、運賃を高く設定しないと割に合わなくなります。これに対して、帰りも荷物を運べるとその分運賃を安くすることができます。これはその日によって状況が変わってくるので、事前にわからない部分があります。なので、どんぶり勘定にならざるを得ないとも言えます。(航空会社やホテルは直前になると空席や空き部屋を大幅に値引きして何とか埋めようとします。)

日本では、長らくコストベースの売価設定がなされてきました(コストにマージンを加えて売価を設定する方法)。

この方法では、確かにコストは回収できますが、運送会社のように、状況によってコストが変わってきてしまう場合にはなかなか難しいところがあります。

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