誰でも本を出版できるの?
自費出版というと高額になるのではないか、というイメージがありましたが、今は、非常に低コストで出版をすることができます。
特に、電子出版の場合は、初期投資はPCとソフト(ワープロソフトでOK)くらいになりますので、出版のためにあらためて購入するものはほとんどないと思います。
出版の方法としては、紙媒体と電子媒体の2つがあります。
どちらが優れているというわけではありません。それぞれにメリット、デメリットがあります。
コスト的に有利なのがもちろん電子媒体ですが、紙媒体には紙媒体の良さがありますので、用途に応じて使い分けることになると思います。
紙媒体での出版
紙媒体のメリット
- 一覧性に優れている。すぐに手に取ってパラパラと目を通すことができる。
- 物理的なモノとして存在するので、販促に使える。
- 流通に乗れば、書店に置いてもらえる。
- 装丁、紙の手触りなど、本自体を楽しむことができる。
- 読んだら売ることができる。プレミアが付くことも。
紙媒体のデメリット
- 印刷コストがかかる。
- 日焼け、汚れ、破れ、傷がつくなど、劣化する。
- 保管するためのスペースが必要。保管のコストがかかる。(かさばるし、重量がある)
- 文字が小さいと読みにくくなる。
- 印刷してからの誤字脱字の訂正ができない。訂正表を別途発行しなければならず、訂正は増刷時点での対応になってしまう。
- 在庫がなくなると売れない。
- 在庫切れの場合、取り寄せの時間がかかる。
- 絶版になることがある。
紙媒体の出版は安価にできます。
紙に印刷する場合には、注文する部数が多くなるほど、1冊あたりの単価が安くなっていきます。といっても、トータルの金額にすると結構な金額になってしまいます。しかも、大量に注文してしまうと、保管場所に困ってしまうことも。
書籍は想像以上にかさばりますし、しかも重いです。そのため、小部数に対応したネット印刷会社に依頼すべきと言えます。
今では、割高にはなりますが、オンデマンド印刷といって、1冊から作ることも可能です。
データをあらかじめ自分で作る手間がありますが、それは電子出版でも同じです。電子出版の場合は、データを電子書籍用に変換すれば済みますが、データ入稿の場合、その印刷会社の指定した形式で提出することが求められます。
Adobe Illustrator、InDesign、PDFファイルを指定されることが多いです。PDFファイルであれば、ワープロソフトでも作成できますので、これが多いのではないかと思います。
電子媒体での出版
電子媒体のメリット
- 印刷コストが発生しない。
- 差し替えが容易。
- 保管スペースが不要。保管コストがゼロ。かさばらない。
- 拡大縮小が簡単にできる。
- どこでも買うことができる。
- 紙の本よりも安い場合が多い。
- 劣化しない。
- 在庫切れがない。取り寄せの必要がない。
電子媒体のデメリット
- スマホやリーダー、PCなど、表示する装置が必要。
- パラパラめくるようにざっと読むことができない。
- データが吹き飛ぶと読めなくなる。
- サービス会社がサービス終了すると読めなくなる場合がある。
- 中古として売ることができない。
- 貸し借りができない。
- 紙の質感が味わえない。
電子出版は、ワープロソフトでデータを作成
電子出版は、まずは、ほとんどがAMAZON Kindleでの販売になると思います。登録は無料です。売れたら選択したロイヤリティが支払われ、売れなければコストは一切かかりませんので、安心して登録できます。
AMAZON Kindleの場合、売り方をどうするかによって、ロイヤリティに違いがありますが、わたしの場合、Apple Booksでも販売しているので、ロイヤリティは35%になります。つまり、AMAZONの取り分が65%になってしまいます。これをよしとするかどうかです。
70%のロイヤリティという選択肢がありますが、そのためには、KDPセレクトに登録しなければならず、そうなると、Kindle Unlimitedでも読まれてしまいますので、実質無料で読まれることになってしまいます。どちらにもメリット・デメリットがありますので、難しい選択になりますが、とりあえず、始めてみるのが一番です。やってみれば、何となく感触が掴めますし、マイナスになることはありません。
データ入稿はとても簡単です。
わたしは、AMAZON Kindle とApple Booksの両方で販売していますが、どちらもEPUB形式に変換して入稿します。
EPUB形式の場合、デバイスに合わせて表示を調節してくれますので、こだわりがなければ、EPUB形式で保存します。
EPUB形式で注意しなければならないのが、フォントデータの扱いです。EPUB形式で特定のフォントを指定すると、そのフォントを表示するためにフォントデータを同梱しなければなりませんが、これがライセンス上アウトになります。フォントを指定しないか、ライセンスフリーのフォントを使うなど、工夫が必要になります。