隠れ副業で巨額負債 エリート部長の転落
ソフトバンクの部長職の男には秘密があった。会社に無届けで始めた副業で失敗し、1億円以上の負債を抱えていたのだ。追い込まれた男は手っ取り早く返済しようと、あろうことか会社の名前を使って詐欺を企てる。
2024年9月20日 日本経済新聞
これが副業のリスクの一つです。なので、長年会社は副業を認めてきませんでした。最近は銀行も副業を認めるようになっています。
三井住友銀行、社外の副業を解禁 10月から全従業員対象
2024年9月27日 日本経済新聞
しかし、大企業であればあるほど、肩書きがモノを言います。どこどこの会社の社員だから、というだけでチヤホヤされたりします。これが怖い。
その人を信用しているのではなく、所属している会社の信用がバックにあるから信用されているだけ、ということがほとんどです。そのため、その会社を退職した途端に縁が切れてしまいます。それに気が付かず、自分に信用力があると勘違いして起業して失敗してしまう、という話はよく耳にします。
また、副業には情報漏洩のリスクもあります。その会社の機密情報を扱っていながら副業をしてしまうと、情報漏洩をたとえしていなくても利用しているのではないか、と疑われてしまいます。
公認会計士の場合、会計監査に自分が直接関与している上場会社だけでなく、監査法人として関与している上場会社の株式は売買できない、としていると思います。(そもそも株式の売買自体を禁止しているところもあるようです。)
会計監査に自分が直接関与している上場会社の株式の売買ができない、というのはインサイダー取引の問題があるので当然です。これに対して、特に大手監査法人の場合、自分が関与していなければ、他の会社の情報などそもそも入ってこないと思います。監査部門が異なればなおさらのこと。普通の会社でも、上の立場にならなければ自分の部署以外のことはあまり知らないのではないでしょうか?
しかし、本当に知らないかどうかは外部からはわかりません。「梨下に冠を正さず」と言われるように、あえて疑われるようなことはしないのが無難です。副業をする時には、このあたりの注意が必要です。