筆順というものはない

(漢字そぞろ歩き) 筆順とは何か 「右」を「一」から書いてもよい 阿辻哲次

国語の教科書には、新たに学ぶ漢字の筆順が掲載されており、学校や塾の先生の中には、その「正しい筆順」の通りに書くよう厳しく指導する方がいる。社会人になっても同僚や友人から「筆順が違う」と指摘され、笑われた経験を持つ方もおられるようだ。

しかし、はっきりいわせてもらえば、漢字は昔からずっと同じ筆順で書かれてきたわけではない。

2025年7月12日 日本経済新聞

学校で漢字を教える際に、混乱を避けるため、という配慮から、筆順を一つに絞った、というのが筆順誕生の経緯であって、教える側の都合で決められもののようです。

「ここに取り上げなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものではない」と文部省がはっきりと述べているのですから、自分が書きやすいように書いても良いのです。

学校で学んだ筆順が絶対ではない、ということは知っておくべきですね。

世の中のルールも、調べてみると、どうでも良い理由でルール化されているものも多いです。やめてしまっても不都合がないのに、昔からやっているから、という理由で、惰性的に続いているものもあります。

何でこんな規則があるのか、と一度立ち止まって考えるのも大切です。

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