価格決定についての考え方

そらかぜ

いくらにしよう

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有料にすべき理由

無料ということは、価格がない、つまり、基本的には価値がないということです。

もちろん、広告、販促などの目的があって無料にすることはありますが、それは有料のものに付随するものなので、無価値ではありません。

ネットが普及して、無料のもので溢れています。確かに無料のものでもすごいものもありますが、多くは品質的にどうなのだろう、というものがほとんどではないかと思います。

また、たとえ品質が良くても、無料にしてしまうと、どうせ無料だから、と思われてしまいます。アプリも無料にしてしまうとインストールされやすくなりますが、アンインストールもされやすくなります。

有料にすると元を取りたいと思うのが人情です。受験料を払った以上は、真面目に勉強しようとするもの。

無料の呪縛から逃れる工夫をしたいものです。

金額の表示は送料込みにするのが親切

価格には送料込の方が親切だと思います。

なぜなら、買う側にとっては、それを手に入れるためにはトータルでいくら払うのかが問題なのであって、その内訳はさほど重要ではないからです。

本体価格1000円+送料450円

本体価格1400円(送料込)

では、当然、後者の方を選択すると思います。送料別では、買う側に計算させる手間を掛けさせてしまいます。

売る側の立場では、送料は余計な経費であり、あくまで自分たちの手取りは送料抜き価格なので、送料は別で提示したくなる気持ちはよくわかります。しかし、それは売る側の論理であって、買う側にとってはそんなことはどうでも良い話です。

消費税も同じで、税込いくらなのか、そして税込いくらにするかは経営判断であって、消費税は原価の一部です。それを消費税は消費者が負担しているとするからおかしなことになっていると思います。企業が負担する他の税金も価格に転嫁されているわけなので、消費税も同じはずです。

キャッシュバックの効果

先日、家電製品を買ったら、キャッシュバックがありました。

いったん正規料金を支払うのですが、バーコードを切り取ってハガキに貼り付けて送ると返金されます。

そんな面倒なことをせずに、最初から値引きしてくれれば、とも思ってしまいますが、もちろん、これはメーカーにメリットがあるから、わざわざそのような手間がかかることをしているわけです。

どういったメリットがあるのか、考えてみたいと思います。

  • ハガキを書かせることで個人情報が直接得られる。
  • ハガキを出すのが面倒なので、後回しにしているうちに忘れてしまい、返金しなくても済む場合もある。宝くじでもよくある話です。
  • 顧客側の心理として、支払った時の痛みはすでに過去のものとなっており、後でお金が返ってきたときに得をしたと感じる。

    例えば、定価20,000円で5,000円のキャッシュバックと、最初から5,000円値引きの15,000円を比較すると、20,000円支払った時点でその支払いの痛みは終わり、次に5,000円得られる喜びが待っています。

    それに対して、15,000円支払った場合には、15,000円支払った痛みで終わりです。この差は大きいと思います。
    支払った額は同じなのですが、なんとなくキャッシュバックされた方がわたしは得した感じがします。なので、ついつい「限定」「残り何個」に惹かれてしまうのかもしれません。
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