フジテレビ、27日に臨時取締役会 港社長の進退議論
フジテレビジョンが27日に臨時取締役会を開くことが分かった。タレントの中居正広さんと女性とのトラブルを巡る一連の対応について、港浩一社長ら経営陣の進退を議論する。同社は港社長が出席する記者会見を同日午後4時から開く予定だ。
この問題ではフジテレビ社員の関与が一部で報道されているが、17日の記者会見では社員の関与はなかったと繰り返し、外部弁護士を中心とする委員会の立ち上げを発表した。
同社の説明が不十分としてCMを差し止める企業が相次いでいる。親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)に対しては、アクティビスト(物言う株主)として知られる米ダルトン・インベストメンツがガバナンス(企業統治)の欠陥を指摘するなど、株主の圧力も高まっている。
こうした状況を受けて、フジテレビとフジ・メディアHDは23日付で日本弁護士連合会のガイドラインに準拠した第三者委員会を立ち上げた。フジ・メディアHDの金光修社長は同日夕、経営責任について「今の段階で具体的にどう経営責任を取るか申し上げることはできないが、経営として議案として当然考えなければいけない」と説明していた。
2025年1月24日 日本経済新聞
オールドメディアの行動を見ていると、「戦艦大和」を想起させます。
航空機が主力となったにも関わらず、相変わらず大鑑巨砲主義にこだわり「戦艦大和」「戦艦武蔵」を建造。結局、戦況を覆すことはできず、あっけなく海に沈んでしまいました。
この戦艦大和、実際にはほとんど出番がなく、停泊したままだったため、当時「大和ホテル」と揶揄されていました。世界最大の46センチ砲は、45度の仰角で40キロ先まで到達、射程距離30キロでは40センチ強の垂直鋼板を貫く、という凄まじいものでした(江田島の旧海軍兵学校で実物大の砲弾を見ましたが、すごい砲弾でした)。この主砲の凄まじい威力ゆえに、発射時に甲板にいると爆風で吹き飛ばされてしまうため、艦内に退避しなければならず、また機銃などの装備品も破壊されるので、たびたび改良が施されましたようです。
実際には、この主砲は簡単に鋼板を貫いてしまうため、相手の船に穴を開けるだけであまりダメージを与えることはなかったようです。
確かに相手の弾が届かないところから弾を飛ばすことができれば有利ですが、それは当たればの話です。たくさんの航空機が空から攻めてきたら、融通の効かない主砲ではどうすることもできません。
SNSがない時代には、メディアからの情報がすべてでした。メディアが報道しなければ、知る術はほとんどなく、知らされないまま終わっていました。しかし、今はSNSがあります。今回の報道ではそれが顕著で、SNSであれほど騒がれているのに、テレビや新聞などの旧来のメディアではまったくと言ってよいほど黙殺され、かえって悪目立ちしてしまいました。
航空機爆撃にあっさり撃沈した戦艦大和と、SNS攻撃にあっさり敗北したオールドメディアが重なって見えてしまいます。
あるいは、ルターが当時聖職者たちが独占していたラテン語聖書をドイツ語に翻訳し、印刷機で大量に刷って誰でも読めるようにして、カトリック教会の誤りを知らしめたこととも重なります。
それにしても、CMスポンサーが相次いでCMを差し止めており、再開するのは容易ではありません。どのタイミングなら再開してもよいのか、判断が非常に難しいと思います。3月末で第三者委員会の報告が出たとしても、すぐに再開とはいかないでしょう。
しかし、フジ・メディアHDの2024年3月期の有価証券報告書を見てみると、連結売上高が5,664億円、営業利益が335億円、うちフジテレビの売上高が2,382億円、営業利益が54億円と利益率が非常に低いので、フジテレビの広告収入が途絶えたとしたら、かなりまずい状況になりそうです。監査法人が継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)の判断をどうするのか、気になるところです。
連結利益に対してフジテレビの利益は少ないので、フジテレビが減収になっても影響がない、とコメントされている方もいますが、何もしなければコストはそのままかかるという、大きな見落としをしています。仮に500億円の減収となれば、コストがそのままなら、ダイレクトに500億円のマイナスになります。
これは、一般家庭で考えればわかります。収入がなくても、食費などの生活費がかかります。収入が途絶えたら生活が立ち行かなくなります。
昨年度であれば、2,382億円の売上が500億円の減収になったら売上高1,882億円、営業損失446億円となってしまい、連結でもおそらく損失になってしまうでしょう。連結経常利益でも391億円しかありませんから、余裕はほとんどなく、何か手を打たなければすぐに赤字転落になってしまいます。
2025/1/30に業績予想の下方修正が出ました。
2025/3月期(連結)の売上高は501億円のマイナス、営業利益が173億円のマイナスになるようです。売上高の減少率が8.4%なのに、営業利益の減少率が49.0%にもなり、やはり利益率の低さが致命的とも言えます。高コスト体質を改善が必要です。
単純計算で、フジテレビの年間売上高が吹き飛んだとしたら、リストラをしなければ、連結で2千億円を超える赤字になってしまいます(番組制作をすべてやめて、再放送でしのぐなどの経費削減をすれば、赤字は減ります。大幅なリストラも必須です)。
純資産が8,696億円、流動資産も4千億円超あるので、短期では持ち堪えるとは思います。
広告収入が戻ってこなければ、フジテレビ消滅はあり得ます。
それにしても、日枝氏の持ち株比率が0.1%にも満たないのに、絶大な権力を持っているというのもいびつです。