昔の方が良かった?

そらかぜ

昔の方が良かった?

毎年のように日本人がノーベル賞を受賞していますが、これは過去の実績によるものです。今後、日本人が受賞できるかは、今の研究によります。

昔は良かった、では思考停止になってしまいます。研究費が少ない、結果がすぐに求められる、自由に研究ができない、ということを唱えるのではなく、なぜ当時は研究ができたかを考える必要があります。

確かに昔の方が牧歌的だったと思います。

しかし、昔が良かったはずはありません。今の方がよっぽど恵まれていると思います。

わたしは自宅でいろいろ研究していますが、いろいろな道具が非常に安価に使用できます。

  • コンピュータはかつてのスーパーコンピュータより性能が高く、しかも小さいです。
  • Raspberry  Pi という超小型マシンは、数千円で購入できます。zeroなどは数百円で買えます。
  • オシロスコープなどの計測器も驚くほど安価な金額で手に入ります。
  • ネットで世界中の情報が瞬時に入ってきます。いちいち辞書を買わなくとも、検索すれば答えが出てきます。もちろん、信憑性の問題はありますが、便利なことには違いありません。

昔は、モノが非常に高かったから多くの人が自作しましたし、壊れたら修理をしてなんとか使いました。今は既製品を買う方が安いし、壊れても直すより新しく買った方が安いです。(もっとも、今は直そうと思っても、ブラックボックスが多く、もはや自分で直せませんが。)

部品もネットで買えますし、100円ショップで十分すぎるほどいろいろなものが調達できてしまいます。

失ったものといえば、自由時間かもしれません。でもこれも使い方次第だと思います。メールやスマホに費やす時間をどれだけ減らすことができるか、によります。

TVで「めぞん一刻」がやっていましたが、あの時代は当然携帯電話などなく、固定電話で連絡を取り合っていました。駅には伝言板がありました。

あの時代はどうやって待ち合わせていたのだろう、とその時代を生きていたにもかかわらず、携帯電話がないことなど考えられないほど、持っていることが当たり前になってしまいました。

今は携帯やスマホを持たずに出歩くなど、考えられません。スマホを持たずに外出して、待ち合わせする時は不安で仕方ないかもしれません。車もナビがないと目的地にたどり着くのが難しくなりましたが、思わぬところに出くわす、新しい場所との出会いも少なくなったように感じます。

得られたものも多いですが、失ったものもあります。でも昔に戻りたいか、と言われたら、今の方が良い、というのではないかと思います。

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