音楽の著作権は難解です

楽曲を制作販売していますが、音楽関連の著作権は本当に難しいです。

わたしはクラシック曲を中心に楽曲をアレンジしていますが、それでも悩むときがあります。

クラシック曲=パブリックドメインとは限りません。気をつけないと著作権に引っかかる危険性があります。そもそも、クラシック曲の定義も曖昧です。

まず、著作権の基本は、著作者の死後70年まで。それ以降はフリーになります。ただし、これについては、2018年に改正されて、50年から70年に延長されたので、若干ややこしくなります。基本は1968年以降に亡くなられた方から70年の保護期間になります。さらに戦時加算というのもあり、50年経過したからOKとならないところが難しい。

バッハやベートーヴェン、モーツァルト、チャイコフスキーなどは問題ありませんが、20世紀に入ってからの有名な作曲家もたくさんいます。ラフマニノフ、シベリウス、バルトーク、ラヴェル、エルガー、ホルスト、サティ、フォーレ、マーラー、サラサーテ、など。何年没なのか、注意深く調べないと、うっかりまだ保護期間中だった、ということになりかねません。

また、編曲されている場合にも要注意です。オリジナルだったと思っていたら、実は編曲だった、ということもあります。

そうなると、今度は編曲者がいつ亡くなったか、ということも調べなくてはなりません。

チャイコフスキーの白鳥の湖が実は、オリジナルとかなり違うというのは、自分で編曲するまで気付きませんでした。現在の白鳥の湖は、チャイコフスキーの死後、プティパとイワノフによって改訂されたものが基本となっており、オリジナルとかなり違います。

わたしも最初、無料で公開されている楽譜や他にもあちこちから購入した楽譜を比べましたが、長年聞いているCDとも違います。なぜなのか、と調べていくうちに、現在のものはオリジナルではない、ということをようやく突き止めました。なかなか情報がない中、古いプティパ・イワノフ版の楽譜を偶然入手できて、ようやく解決しました。それにしても、なぜプティパ・イワノフ版が現在入手困難なのか、まったくの謎です。

楽譜がないので、パ・ド・ドゥやパダクシオンの終わりの部分は仕方なく耳コピで作りましたが、楽譜が手に入ったので、検証してみたところ、ほぼほぼ合っていました。耳コピの良い練習にはなりましたが、著作権について、大変勉強になりました。

白鳥の湖については、問題が解決しましたので、販売開始したいと思います。

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