株式の信用取引は怖い、というイメージがありますが、実際はまったく怖くありません。
レバレッジを効かせるから危ないのであって、現物価格分の証拠金内で取引している分には、破産などありません。
100万円の証拠金を積んで、100万円相当の株式を売買するのであれば、普通の株式取引と同じ状態になります。
値下がりで利益が得られます
信用取引の本当のメリットは、値下がりで利益が得られるということです。通常の原物株式は買いからしかできません。つまり、株を買って、値上がりして売って利益を得る。値上がりからしか利益が得られません。売ったら、また下がった時に買って、上がった時に売る。つまり買って売るという一方向の取引しかできません。
これに対して、信用取引は、まず売ってから下がったところで買い戻す、ということができます。つまり、100円で売って、50円に下がったら買い戻して50円の利益を得る、ということができるのです。上げ相場でも下げ相場でも両方の局面でチャンスがあります。しかも上げ相場は緩やかなのに対し、下げ相場の方がきついので、下げ相場の方が短期間で利益を得られることが多いです。
現物株を持っている場合は、特殊な使い方ができる
現物株式を持っていて、値上がりしたので利益を確定したいけど、株式は手元に置いておきたい、という場合、信用取引で解決することができます。特に、決算期末に、配当や株主優待で権利を取得しておきたい、けれども値下がりしそうだ、というときに、値上がり益と配当・優待のどちらを取るか、悩むことがあると思います。
しかし、現物株を売らずに、信用の売りをすれば、現物株を売ったことと同じ効果が得られます。値下がりすれば、信用の手仕舞いをすれば利益が得られるので、値下がりリスクをヘッジできます。
もっとも、このような権利確定日の信用売りは、逆日歩が高くなりやすいです（信用売りは株を借りて売る取引なので、たくさんの人が株を借りると株が不足し借り賃が高くなります。そのため、これを逆手に取って、あえて信用で買って日歩を稼ぐという裏技もあります。1日で単元株あたり数百円から数千円、数万円にのぼることもあるので、売り方は悲鳴をあげてしまいますね）。
結果的に損になるということもあるので、ケースバイケースです。しかし、権利確定日でない場合でもヘッジしたいという時にこの方法が使えます。
要するに信用取引という武器を手に入れることで、いろいろな戦い方でできるようになります。