中計病

中期経営計画の是非

企業経営で使われる期間は一般的に短期が1年、中期が3~5年、長期が10年以上とされることが多い。具体例では短期は単年度予算、中期は中期経営計画、長期は長期ビジョンなどが挙げられる。

経済産業省が企業価値向上への提言として2014年にまとめた「伊藤リポート」から10年になる。この間、企業は中長期的視点に立った経営を模索し、一部では改革が進んだ。

2024年6月11日 日本経済新聞

どのようなことをするにも計画は必要です。計画がなかったら行き当たりばったりになってしまいます。といっても、計画はあくまで計画。状況が変われば見直すのが当たり前です。

しかし、数年先まで立案した中期経営計画(中計)に固執する経営者も時々います。一度決めたことはやり遂げないと気が済まないパターンですね。これを推し進めて実現ができないとなると粉飾になる可能性があるので、会計監査でもリスクありとされます。

今は環境が目まぐるしく変わっていくので、1年後どころが1ヶ月後ですらどうなるかわかりません。このような状況で3年、5年計画に固執するというのはナンセンスです。

新規事業がつまずく理由、「目標ありき」の愚かしさ

あなたは起業家に向いているのかどうか。あるいは大企業に勤めている場合は、既存事業と新規事業のどちらの職場を選んだほうが成功しやすいか。

だれもが興味のあるこんな疑問に「手っ取り早くイエスノーを判定できる簡単な質問がある」と早稲田大学ビジネススクールの樋原伸彦准教授はいう。

質問は「料理をする際の手順について聞きます。あなたは強いていえばどちらのタイプですか?」

2024年6月2日 日本経済新聞

味の素、さらば「中計病」 資金もギョーザも高速回転

味の素が投下資本の効率を重視する「ROIC経営」に弾みをつけている。きっかけは2023年2月に公表した中期経営計画の廃止だ。数年先の目標に固執する「中計病」に陥らず、成長や資本効率に資する戦略を機動的に動かせるようになってきた。堅調な業績や資本改革への期待もあり、1月には株価が上場来高値を更新している。

2024年6月10日 日本経済新聞
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