悪質な人材紹介の規制強化 医療・介護・保育で 厚労省、「祝い金」など取り締まり
厚生労働省は24日、医療・介護・保育の3分野の人手確保に向け、悪質な人材紹介事業者への対策を強化する方針を示した。いずれもサービスの多くが公定価格で、高騰する紹介手数料が施設の経営を圧迫している。紹介業者が就職する人に渡す「祝い金」や転職勧奨などを取り締まる。
2024年7月25日 日本経済新聞
今頃?という印象の記事です。
10年以上前に、わたしも、とある医療機関に関与していたときにこの問題に取り組みました。3ヶ月以内に辞めると紹介料が返還されるという条件だったのですが、3ヶ月を過ぎたあたりでどんどん辞めていき、3ヶ月ごとに紹介料を払わされるという状況が続いたので、さすがにこれはひどい、ということで条件を変えてもらったことがあります。
看護師なども、祝い金目当てに入退職を繰り返しているのではないかという疑惑があったので、より条件を厳しく見直しました。
特に医療関係は引くてあまたで出入りが激しく、なかなか人員が集まらず、しかも人員配置基準もあるため、人数は確保しなければなりません。そのため、足元を見られて紹介手数料も高くなりがちです。手数料が高くても背に腹は変えられないからです。その高い手数料を3ヶ月ごとに請求されるのではたまったものではありません。看護師などを3ヶ月過ぎたあたりで辞めさせて、ぐるぐる回転させれば、医療機関から定期的に手数料がもらえるというビジネスが成立してもおかしくない状況でした。
これでは、医療機関の経営は苦しくなり、それが結局は医療費に跳ね返り、社会保険料のアップにつながるのですから、今回の規制強化は当たり前といえば当たり前で、むしろ遅過ぎた感があります。