機械学習って、機械がなんでも判断してくれるの?
機械学習は道具のひとつにすぎません。
にもかかわらず、機械学習がすべての問題を劇的に解決してくれる、何か魔法の道具と勘違いしている経営者の方が大勢おられます。これは機械学習に限らず、夢の技術ともてはやされるたびに起きてきたことでもあります。
機械学習を使って何をしたいのかを明確にする必要があります。漠然と、適当にデータを放り込んだら、ポンとコンピュータが答えを出してくれるわけではありません。残念ながら、コンピュータはそこまで賢くはありません。
人間がプログラミングをして、その命令に沿って処理をしているだけであり、何をするかは人間が命令しなければ欲しい答えが出てきません。
わざわざ機械学習を使わなくとも簡単にわかる方法もあります。また、機械学習に不向きの問題もあります。台所でノコギリを使う人はいないと思います。使うのは包丁です。逆に木を切るのに包丁を使う人はいないと思います。
道具というものは使う場面に応じて使い分けるのが普通です。
過学習の問題
機械学習では、膨大な学習データが必要になる場合があります。
インプットするデータがなければ予測しようがありません。そこで問題になるのが、過学習です。
インプットされた情報に適合するように最適化するのはよいのですが、インプットデータに最適化しすぎてしまうことがあります。
これは、わたしたちもしばしば犯してしまう過ちでもです。
いわゆる、「応用が効かない」という状態です。
過去問から今年の試験の傾向をつかもうとして、過去問ばかり解いていたら、過去問なら完璧に解けるようになりましたが、ちょっとでも過去問と違う問題が出るとできなくなってしまう、ということはよく聞きます。過去問はあくまで参考であって、ちょっと捻った問題でも応用が効くように対策することが必要とされます。
機械学習もこれに似ています。過去のデータはあくまで参考であって、過去問しか解けない、ではなく、類推応用して、将来どうなるかを推測することが求められます。