M&A時の「のれん」償却不要

M&A「のれん」償却不要 企業会計、国際水準に 規制改革会議 新興の成長後押し

企業がM&A(合併・買収)する際、「のれん」の償却(総合2面きょうのことば)を定期的にしない会計処理を認める制度変更の動きが出てきた。会計上の負担を軽くしてスタートアップなどのM&Aによる成長を後押しし、企業の新陳代謝を進める効果が期待できる。政府の規制改革推進会議が月内にもまとめる答申に盛り込む。

2025年5月27日  日本経済新聞

税法上、営業権は5年償却なので、これもどうにかしないといけないと思いますけど。

のれんの償却は長年の論点になっており、会計士試験の論文試験などでも定番でした。

定額償却にもメリットがあります。経営者は利益を多くしたいので、資産については、常に過大計上の誘惑に晒されています(税務の場合は逆で、税金を少なくしたいという過少計上側の誘惑)。強制的に定額償却すれば否応なしに資産は減っていきますので、耐用年数が過ぎればゼロになります。また、定額で償却しますので、経理処理も簡単です。毎年減損評価をしなくてもそこまで問題にならない(強制減価していくので)、という利点もあります。

一方、のれんの資産価値という点では問題点はあります。耐用年数内で償却という考え方がそもそも合っているのか、むしろ、価値が上がることもあり、その場合は含み資産になってしまいます。

世界の主流は、償却はしないで、毎年減損すべきか評価をするというもので、確かにこちらの方が実態に合っているようにも思います。

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