光ると冷える物質を開発 千葉大など、新たな冷却材料に
千葉大学の山田泰裕教授らは大阪大学などと共同で、光を当てると発光して冷たくなる物質を開発した。光を吸収しやすい「ペロブスカイト型」の構造を持つ結晶を使う。新たな冷却素子の開発につながる可能性がある。
開発した物質はセシウム、鉛、臭素から構成されるペロブスカイト構造の結晶でできている。ペロブスカイト構造を持つ結晶の一部は光をよく吸収する性質を持ち、その性質を利用した「ペロブスカイト型太陽電池」は変換効率の高いフレキシブルな太陽電池として注目を集めている。
今回の物質は特定波長のレーザー光を吸収して発光するが、このときに当てられた光よりも強いエネルギーを持つ光を放出するという特徴がある。物質の持つエネルギーが奪われて冷える。10分ほど光を当て続けると、物質の温度はセ氏10度ほど低くなった。
2024年9月16日 日本経済新聞
これはいいですね。冷却素子としてはペルチェ素子が有名ですが(安い冷蔵庫に使われている)、片面が冷えてももう片面が熱くなるという問題があります。もっとも、温度差があれば電気が発生するので、適材適所だと思います。
エネルギー保存則によって、冷やすためにはエネルギーを放出しなければなりません(エアコンは熱を外に放出)。この放出するエネルギーを熱で放出するか、光で放出するか(放射熱も光の一種ですが。なので、太陽光は暖かい)、が今回の物質の違いですが、熱で放出する場合、その熱の処理が必要になりますが、光であれば処理は楽です。この物質は要注目です。