レガシーコスト

アフリカでは、携帯(ガラケー)ではなく、いきなりスマホを使っています。購買力が上がると、最先端の製品がいきなり普及します。

ポケベルからPHS、携帯、スマホの順番で発展して行く、というのは結果としてそうなっただけであり、後追いする人はその順番をたどる必要はありません。いきなりスマホからスタートしても良いわけです。

わたしたちも、旧式真空管のパンチカードで動かすコンピュータではなく、昔の巨大なスーパーコンピュータよりはるかに小さく性能もはるかに高いコンピュータを使っています。

このように、いきなり新しいところからスタートできる場合はしがらみがありませんが、そうでない場合には、しがらみが発生しているので厄介です。互換性の問題、その仕事に携わっていた人たちの雇用問題など。

古い伝統があるところほど不利になってしまう場合があります。キーボードの配列は、タイプライターの時代から変わっていないそうです。このタイプライターのキー配列は、モールス符号のためにデザインされたのだとか。さらに、キーを押して印字を跳ね上げるので、早打ちするとアームが衝突してしまうので、その機械的な絡みが発生しないように、よく使うキーは離す改良が施されたとも言われています。今時、モールス符号を知っている人は限られています。(わたしは無線資格のために覚えましたが、モールスは覚えると意外と便利。トン、ツーだけで会話できるので。)

つまり、タイプライターからキーボードに移行した人にとっては、同じ配置であることが必須だったわけです。そうしないと、また一から訓練しなければなりません。そういうしがらみがない人は、より打ちやすいキーボードが出てきても、最初からその配置を覚えれば良いので、より有利になります。

しかし、今のところ、このタイプライター由来のQWERT配置のキーボードが主流で、これでブラインドタッチを覚えてしまっているので、わたしもいまさら、になってしまいます。レガシーコストの呪縛は強固です。

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