インボイスの登録未了が多数

インボイス登録 1割のみ

日本経済新聞 2023年6月27日朝刊

約500万の事業者のうち、インボイスを登録したのは1割だったそうです。

インボイス制度は10月からスタートします。特に免税事業者に多大な影響を受けます。インボイスを発行することで消費税の納税義務が発生してしまいます。

また、免税事業者が課税事業者と取引をする場合、インボイスが発行できないと課税事業者側で消費税を差し引くことができなくなり、税負担が増えてしまいます。そのため、インボイスを発行しない免税事業者からインボイスを発行する事業者にシフトする可能性も否定できません。

しかし、これは課税事業者と取引する場合の話であって、飲食店など、そもそも一般消費者しか相手にしない場合などは、影響がありません。

そのため、約500万の事業者のうち、インボイスを登録したのは1割、といっても、どれだけの割合の事業者がインボイスを発行する必要があるのか、ということがデータとして必要になります。

実際、免税事業者の取引の6割が一般消費者を対象としているそうなので、多くの事業者は未登録のままでも問題ないでしょう。

また、100万つまり2割ほどの農業事業者との取引では農協特例を利用するなど、条件次第でインボイスなしでも消費税額が差し引きできる制度があるので、農業事業者の多くがインボイス登録をしない可能性が高いです。

さらに、課税事業者が簡易課税制度を利用していれば、インボイスは必要ないので、このような事業者との取引が大半であればインボイス登録する動機がなくなります。

現状、29年9月末まで経過措置があるので、まだ余裕があるとして様子見している企業もあるでしょう。

以上のことを総合すると、免税事業者のうちインボイス登録をしたのが1割といっても、実際には、インボイス登録が必要な免税事業者のほとんどが対応済みと言えるでしょう。

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