JPX、情報共有の広さ犯罪誘発 インサイダー対策甘く 上場部全員が閲覧可能
日本取引所グループ(JPX)の調査検証委員会は30日に公表した報告書で、元社員によるインサイダー取引事件の原因について、公開前の情報が「(上場部の)部員であれば誰でも知ることが可能な状況だった」と指摘した。必要以上に共有範囲を広げ、犯罪を誘発した。
「不正行為を行う社員が在籍し得ることを現実問題として想定できていなかった」。
2025年1月31日 日本経済新聞
結局のところ、性善説に頼りすぎていた、ということでしょう。
監査法人でも、自分が担当している企業以外の情報は入ってこない状況でした。もちろん、担当企業数が多いので、自分の担当で手一杯で、そんな余裕はない、というのもありましたが。たまに、会計処理についての相談などで部分的に知ることはありますが、あくまで局所的なので、それでインサイダーと言えるかは微妙というレベルの関与割合です。
それでも、監査法人として関与している企業の株式取引は禁止です。実際に知らなくても、知りうる立場にあると疑われても仕方がありませんので、リスク管理としては当たり前です。
ましてや、JPXの場合は、全上場企業の情報が集まるのですから、リスク管理はさらに厳重にすべきでしょう。