国際会計基準 営業利益のルールを統一

国際会計基準、「営業利益」ルール統一

比較しやすく 27年度、企業に開示義務

世界の企業で普及している国際会計基準で、本業のもうけを示す「営業利益」の計算ルールが2027年度から統一される。これまで開示が義務ではなく定義も決まっていなかったため、企業によって中身がばらばらだった。投資家は企業が本業でどのくらい稼いだのか比較しやすくなる。

2024年7月11日 日本経済新聞

確かに、基準は統一されていなければ比較が困難になります。

しかし、企業の財務諸表のルールは杓子定規にはいかないところが難しいです。例えば、リース取引。リースの実態は借入という側面もあるので、支払リース料には減価償却費や諸経費、利息が含まれています。これらを一括して営業費用に入れてしまうと本来営業外費用の利息が営業利益に紛れ込むことになります。

同様に、特別利益や特別損失というのも問題になることがあります。営業利益をプラスにしたいがために特別損失に計上したくなるという動機が経営者にはあると思います。つまり、特別損失は想定外の「特別」なのだ、という説明をしたい動機に駆られます。例えば、巨額の貸倒引当金や貸倒損失。本来は営業活動の一環ですから、営業費用に入れるべきものですが、これらを特別損失に入れるというケースもあります。重要な取引先が倒産するとは想定外だった、という「特別」な事情は確かにあるかもしれませんが、それは単に額の問題であって、売掛金の回収不能というのは取引をしていればある程度発生するもの。額が大きいというだけで「特別」に入れていいのか、という議論が常にあります。

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