社長を超えろって、そんな無茶な
社長を超えろ
入社式で、トップが「社長を超えるつもりで自ら動いて欲しい」と語ったとのこと。
まあ、そのくらいの志を持ってほしい、ということなのでしょうが、これも伝え方が悪い典型例のような気がします。そもそも社長を超えるのがいつなのか。今なのか、遠い将来なのかによってニュアンスが変わってきます。
今の社長もいずれはいなくなるのですから、会社が存続していれば、いつかは誰かが社長をやるでしょう。
そもそも論ですが、社長を超える人材がいたらその社長はいらない、ということになります。社長を超えるような人材は、自分で社長をやってしまい、わざわざ従業員という立場を選ぶとは思えませんし、いずれ辞めてしまうでしょう。
だいたい、社長を超える仕事を要求するのであれば、社長を超える報酬を与えるのが筋だと思います。
給料は安いが社長を超える仕事を要求する。これは搾取であり、普通に考えたらおかしなことです。
自分より優秀な人間を雇う、言うは易く行うは難し
雇うなら、自分より優秀な人間を雇うべきです。お金を払うのだから、自分より能力のある人間を雇えば、自分は楽ができます。しかし、実際はこれがとても難しいのも事実です。
経営者側の問題
その人を素直に評価できるか、という問題があります。人間は自分が人よりも上に立ちたい、という願望があり、嫉妬がどうしても出てきます。
特に経営者は自分の方が優れていると思いがちなので、なかなか他人を素直に褒めることができません。かえって、他人を貶めて、どうだ、自分の方がすごいだろう、とマウントを取ってきがちです。
表面上は褒めていても、内心ではどうかわかりません。特に創業者ほど、その傾向が強いです。自分より優秀な人を潰そうとする人が多いのもまた事実です。こんな奴を入れたら自分の立場が危うくなると思うようでは、難しい。
採用自体の問題
面接で優秀かどうかを知ることは正直とても難しいです。学歴だけではわからないし、面接でもうまく取り繕うことができます。優秀であることをアピールしても、雇ってみたら全然だった、ということはよくあることです。
なので、それを見破る方法に各社苦労しています。予想に反した人間を雇ってしまっては、後から辞めさせることは非常に難しく、精神的・時間的・金銭的負担がとても大きなものになってしまいます。
優秀な人間を取り逃がしたとしても、面倒な人間が入ってこないようにすることの方が大切とも言えます。