フラッシュ・ボーイズ

株の高速取引、強まる警戒

1秒間に数千回、売買繰り返す 一般投資家欺く注文も

証券取引等監視委員会は1秒間に数千回の株売買を繰り返す「高速取引」で法令違反がないか警戒を強めている。高速取引によって生じる株価の変動は瞬間的で、不審な値動きがあっても一般投資家が把握するのは難しい。3月には自らに有利な株価へ誘導したとして、高速取引では初の課徴金納付命令勧告に踏み切った。

高速取引は東京証券取引所の売買代金ベースで4割を占める。

2024年5月29日 日本経済新聞

「フラッシュ・ボーイズ」ですね。ちなみに、「フラッシュ・ボーイズ」の概要について、ChatGPTさんに聞いてみたので、ご参考まで。

「フラッシュ・ボーイズ」(”Flash Boys”)は、マイケル・ルイス(Michael Lewis)によって書かれたノンフィクションの本で、2014年に出版されました。この本は、アメリカの金融市場における高速取引(High-Frequency Trading, HFT)の世界を探り、その裏に潜む問題や不正行為を暴露しています。

概要

  1. 高速取引(HFT)とは? 高速取引とは、極めて短い時間(ミリ秒やマイクロ秒)で大量の取引を行う手法で、主にアルゴリズムを駆使して自動化されています。この手法により、トレーダーは市場の微細な価格差を利用して利益を得ることができます。
  2. 本の中心人物
    • ブラッド・カツヤマ(Brad Katsuyama):カナダ出身の株式トレーダーで、本の主人公です。彼はロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)で働いていた際に、高速取引業者による市場操作に気づき、それに対抗するための努力を始めます。
    • IEX(Investors Exchange):カツヤマが設立した取引所で、HFTによる不正取引を防ぐための仕組みが導入されています。具体的には、「スピードバンプ」(注文処理の遅延)を設けることで、すべての参加者が公平に取引できる環境を提供しています。
  3. 主要なテーマ
    • 市場の不公平:HFT業者が情報の速度や物理的な近接性を利用して、不公平な利益を得ている実態が描かれています。
    • 倫理と規制の問題:高速取引の普及に伴い、規制の不備や市場の透明性の欠如が指摘され、倫理的な問題が浮き彫りにされています。
    • 技術の影響:超高速のデータ伝送や光ファイバーケーブルの敷設など、技術の進歩が金融市場にどのような影響を与えているかが詳述されています。

影響と反響

「フラッシュ・ボーイズ」は、出版後すぐにベストセラーとなり、金融業界内外で大きな話題を呼びました。本書が引き起こした議論により、高速取引の問題点に対する認識が高まり、規制強化の必要性が広く認識されるようになりました。また、IEXの設立とその成功は、より公正で透明性の高い取引市場を求める動きを象徴するものとなっています。

この本は、金融市場の裏側を知りたい人や、現代のテクノロジーがどのように市場を変えているのかに興味がある人にとって、非常に興味深い読み物です。

 現在は自動取引が一般的になり、個人が昔ながらのデイトレードで稼ぐというのはほぼ不可能となりました。1990年代くらいまでは、仕手筋というのがありましたが、もはやあれは化石ですね。今回の日経の記事は、やっていることは基本的には仕手筋と同じやり口です。価格を釣り上げて、もっと上がるかと思った矢先にどん底に突き落とされたり、もう天井だと思って空売りしたらさらに上がって、損失覚悟の買い戻しを余儀なくされたり(踏み上げ)、その手の相場の話は山のようにあります。是川銀蔵さんの本を読むと昭和の時代の相場の雰囲気(相場師の世界)がよくわかると思います。

やはり、グレアムやバフェットのように、ファンダメンタルズを分析して長期投資を行う、というのが王道です。

ちなみに、数億分の1秒を争う、となると、通信速度が問題となります。光ファイバーの質も問題となりますが、そもそもサーバーをどこに置くか、といったことまで気にする必要が出てきます。一番良いのは、取引所と同じサーバーに置くことです。実際、そこまで涙ぐましい努力をしなければ勝てないようです。

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