会社員の方は、会社で行われる年末調整で済んでしまうので、確定申告とは縁のない方が多いと思います。しかし、会社員ではない方や副業を行なっている方などは確定申告が必要となります。
目次
確定申告の基本
- 確定申告は、個人事業を廃止するまで続きます。わたしも個人事業主(フリーランス)なので廃業しない限り一生続きます。
- 特別控除の特典などがある青色申告にしましょう(税務署への届出が必要です)。今は白色のメリットはほとんどありませんので、特典のある青色申告一択です。
- 個人事業主の多くは、報酬をもらう時点で源泉税を引かれているので、確定申告は還付になることがほとんどです。収入が少なければ、源泉税がすべて返ってくることもあります。なので、確定申告は税金を返してもらうイベントのようなものです。忘れずに税務署に行きましょう。
- 申告期限までに申告しましょう。そうしないと、青色申告が取り消されます。数々の特典を失います。損失の繰越し(損失が出たら、翌年以降で差し引ける)ができなくなったり、大きな損失になりますので、期限内申告は必須です。
- 節税と脱税は違います。節税は合法的に税金を減らす方法です。青色申告はその一つです。
- 脱税は割に合いません(売上の除外は確実にバレます。架空の外注費もバレます)。確実にバレて、加算税など多額の税金を取られます(金額によっては逮捕もありうる)。税務調査はすぐに来るわけではなく、3年分まとめてから来ることが多いので、そうなると最低でも3年分の追徴が待っています。利息も付くので、目玉が飛び出るほどの金額になりますので、最初から素直に払った方が結局のところ得です。
- 報酬を支払った相手方が源泉徴収票を税務署に提出しますので、税務署にはすでにバレています。株式取引や保険金なども税務署はすでに知っています。
- 今はいろいろなところでマイナンバーで捕捉されていますので、ほぼ確実にバレると思っておいた方がいいです。かなりガラス張りになっています。
- 税法は非常に難しいですが(税理士でもすべてを把握している人はおそらくいない)、そのほとんどは関係ありません。個人の確定申告では、税法を知らなくても問題ありません。
開業届・青色申告承認申請書の提出
自分で作成するか、税理士に頼むか
- お金を払うのが惜しくないのであれば、迷わず税理士に頼んだ方が楽です。病院と同じで、税理士もピンからキリなので、誰に頼んだらよいか迷うと思います。なので、知り合いに紹介してもらうのがいいと思います。
- 個人の確定申告の税理士報酬はそれほど高くありません(受け取り方には個人差があると思いますが、仕事の内容に比較したら税理士報酬は一般的に安い気がします)。
- といっても、収入が少ないうちは、お金も節約できますし、勉強になるので、自分で作成した方がいいと思います。そもそもの取引数が少ないので、数日あれば作成できます。また、確定申告期になると税務署で無料相談などがあるので(税理士会が手伝っている)、それを利用するのも手です。最近の税務署は紳士的、親切です。怖がる必要はありません。どんどん利用しましょう。
- 税理士に頼むときには、余裕を持って。申告期限ギリギリでは断られる可能性大です。期限後申告でよければ、という条件付きなら受けてもらえるかも。
- 自分で作成するにせよ、税理士に頼むにせよ、必要書類は揃えておく必要があります。源泉徴収票、契約書、請求書、領主書など(電子メールでのやり取りも保存が必要)はきちんと保存しておきましょう。
確定申告にあたっては、日々の帳簿作成が必要になります。今はクラウド会計で簡単に帳簿が作成できますので、選択肢が増えました。わたしは、業務では弥生会計を使用しています。
一定条件で無料で使えるところもあります。
書類はきちんと保存しておく
- レシートはすべて保管しておく(何を購入したかわかるようにメモをしておく)。
- 打ち合わせ時の食事や飲料、手土産なども経費になる。
- 電車やバスなどの交通費は、どこからどこまで行ったか記録しておく。
- 国民年金、健康保険・介護保険料などの領収書も保管。
- 生命保険・医療保険などに入っている場合、保険会社から送られてくる確定申告用のハガキも保管しておく。
- 在宅ワークの場合、電気・ガス・水道などの公共料金、家賃の領収書も保管。ただし、全額が経費になるわけではなく、合理的な配分方法で計上します。(仕事スペースの面積割合など)
- 専門書籍・雑誌など、仕事で使うものは経費にできます。売却したら収入に計上しましょう。
- 自家用車を使った場合は、ガソリン代も経費になります。(距離に応じて計算)
- 衣服などは微妙。ケースバイケースです。その仕事でしか使えないどうかが一応の目安です。節操なく私物を経費にすると税務調査で指摘されますので注意しましょう。旅行なども同じです。仕事の合間に時間が空いたのでちょっとだけ観光したということはよくあることですが、観光のついでにちょっとだけ仕事したというので全額経費にするというのはやりすぎです。常識の範囲で判断しましょう。後ろめたいと感じたら危険信号です。
- 病院や薬を買ったら、領収書は保管しておく。
確定申告コーナー
ネットで確定申告ができます。そのまま送信もできますし、プリントアウトして持参あるいは郵送もできます。
何が必要経費になるのか
どういったものが必要経費になるのか、ざっくりと列挙してみました。
租税公課 | 自動車税、固定資産税など(所得税、住民税は入らない) |
荷造運賃 | 宅配料金など |
水道光熱費 | 電気、ガス、水道(仕事で使う割合で按分) |
旅費交通費 | 電車、バス、タクシー、宿泊費、ガソリン代、高速代など |
通信費 | スマホ、郵便、ネット費用など |
広告宣伝費 | ネットで広告を出した場合など |
接待交際費 | 打ち合わせの喫茶代、親睦会の費用、手土産代など |
損害保険金 | 仕事で車やバイクを使う場合の保険料 |
修繕費 | 仕事で使う車やバイク、仕事部屋のエアコン、コピー機などの修理代 |
消耗品費 | 文房具、コピー用紙、電池、減価償却資産に該当しない10万円未満のモノ(なので、極力10万円未満になるものを買うのが楽。PCやプリンタ、スマホなどもよほどのものでなければ、10万円未満で買えます)、その他細々としたものはほとんどここに入る |
減価償却費 | 10万円以上のPC、ソフト、自動車、バイクは支出金額を買った時に全額費用にはできない。モノによって決まっている年数(耐用年数)で割った金額を計上する。 |
福利厚生費 | 従業員を雇わなければ関係なし |
給料賃金 | 従業員を雇わなければ関係なし |
外注工賃 | 人に頼んで払った時の支払報酬 |
利子割引料 | 借り入れしなければ関係なし(住宅ローンを払っている場合、仕事部屋の割合で計上) |
地代家賃 | 賃貸なら家賃、駐車料金 |
雑費 | 上記に入らないもの。ただし、ここがあまりに大きいと税務署から怪しまれるので、極力個別の科目に振り分けるようにする。 |
様式にあるもの以外でも「貸倒金」の下に空欄がありますので、適切な項目を作って計上するのもOKです。わたしの場合、以下の項目を追加しています。
新聞図書費 | 専門書、新聞、雑誌類 |
支払手数料 | 振込手数料など |
賃借料 | リースなど |