今週、基本情報技術者試験を受けてきました。
旧試験の初級シスアドを持っています。なかなか難しい試験だったのですが、さすがに知らない人も増え、またITパスポートと同列にされるのも何だかなあと思ったので、知識のブラッシュアップも兼ね、上位の基本情報技術者試験を受けることにしました。(来年から応用処理技術者試験などのさらに上位の試験もCBT方式になるので、受ける予定です。)
ちなみに、基本情報をすっ飛ばして、いきなり応用処理技術者試験を受けることもできます。それを勧めるサイトもありますが、これは個人的にはお勧めできません。
確かに、基本情報技術者試験はアルゴリズムが必須なので、プログラミング未経験者にはおそらく合格は難しいかと思います。これに対して、応用処理技術者試験では、選択制なので、このアルゴリズムなどのプログラミングが回避できるので、文系でも受かる、しかも基本より上位が取れる、という触れ込みですが、プログラミングの知識がない情報処理技術者に意味があるのか、という根本的な問題があります。履歴書の見栄えはするでしょうが、実際の実務になったらおそらく困るだろうと思います。
わたしも、最近ではChatGPTに書かせて、かなりサボっていますが、それは知っていてやらない部類に入ります。今は生成AIにプログラムを書かせることができますので、知識がなくてもある程度のプログラムを作ることが可能になってきていますが、プログラミングを知っていればもっと高度なことができるようになります。そもそもプログラミングの知識がないとChatGPTに適切な指示を送ることが難しいようにも思います。
生成AIに任せられることは生成AIに任せた方が効率的なので、今後そこに仕事は発生しません。要するに、生成AIにできるレベルではダメなのです。
応用処理技術者試験のテキストを見ると、基本情報技術者試験とかなり被っています。つまり、順当に基本→応用、と進むのが結果的にはスムーズに行くように感じました。
基本情報技術者試験はCBT方式なので、自分の都合に合わせることができ、しかも場所も自由度が高い(空いていればですが)というのが良いですね。ただし、CBT方式にはいくつかのデメリットも感じました。
- 過去問がない
- 試験日が決まっていない(自分でいつ受けるかを決めないといけないので、ズルズルと先延ばしが可能)
CBT試験では、最初に試験問題を漏らさないことなどを記載された紙を渡され、署名しなければ受験できません。どの分野が出たか、出なかったすらもダメなので、かなり厳しいです。試験を所管しているIPAからはサンプル問題が出されていますが、数少ないサンプル問題を参考にするしかありません。そのため、参考書は必須ですね。私は以下を使用しました。
この試験はとにかく範囲が広いので、どこから手を付けて良いかわからなくなります。この本も700ページ強もあり、かなり分厚いですが、これをこなせば75点はクリアできると思います。
試験はA試験とB試験の両方に受かる必要があります。それぞれ600点が合格点(1000点満点)なので、800点以上を目指す必要はありません。といっても注意点があります。A試験は60問出るので、単純に36問正解したら合格、とはなりません。 採点はIRT方式といって、正解率の高い簡単な問題は点数が低く、難易度の高い問題は点数が高く、という傾斜配点がなされます。また、A試験では4問、B問題では1問が今後の参考とする評価問題として採点対象外となっているため、これを正解しても意味がありません。かといって、どれが捨て問かもわかりません。
そのため、余裕を見て、7割、つまりA試験なら42問、B試験なら14問以上を正解しておく必要があります。
この点、この参考書はバランスが取れているように思います。これと付属のアプリで過去問やサンプル問題にチャレンジできますので、それさえやっておけばOKだと思います。
試験にもパレートの法則が当てはまり、2割の知識で8割まで行きますが、残りの2割を取りに行こうとすると、8割の知識が必要になるので、労力は4倍追加で必要になってしまいます。7割取ればOKなのですから、2割の努力で十分お釣りが来ます。無駄な労力は使わず、他のことに使った方が良いです。
わたしは急遽試験を受けることにし、2週間集中的に勉強しましたが、試験ではかなり苦戦しました。特にB試験では、時間があっという間に過ぎて、終わったのが残り3分で見直す時間などありませんでした。問題数は20問ですが、単純計算で5分で1問を解くのはかなりきついです。100分のうち50分を過ぎた段階でまだ半分以上残っていて、「これはさすがにやばい」と焦りました。久しぶりに追い詰められました。時間配分には気をつけましょう。
A試験では経営や会計のことも出てくるので、参考書の半分以上は既知ということもあり、また日常的にプログラミングをしていますので、2週間で何とかなると思っていたのですが、実際にはギリギリでした。両方とっも750点以上は取れて、一応合格しているようなので(結果はその場で出ますが、正式な合格発表は翌月)、ほっとしています。
