江口寿史氏のトレパク疑惑

他人の絵や写真をそのままトレースしたり、パクったりすることを「トレパク」と呼ぶようです。

この言葉を、数年前の古塔つみ氏の件で知りました。今回、まさかあの有名な江口寿史氏が他人の写真を丸パクリしていた、というのは驚きでした。

ネット民によって、次々とトレパクしたと思われるイラストが次々と掘り起こされ、余罪がたくさんありそうです。(それにしても、よく特定できるな、と驚かされます。捜査にも活かせそうです。)

Xでの投稿を読む限り、ご本人が事の重大性をあまり認識されていないことの方が問題のようにも感じます。もうずっとこのスタイルで仕事をしてきたので、当たり前になっているのかもしれません。

法律違反を犯したのですから、まずは謝罪から始めるべきです。「ネットに流れていた写真を勝手にパクったことがバレたけれども、ご本人の事後承諾が得られたので問題はクリアしました。なお、パクったご本人のことを知りませんでしたが、モデルとかもされているようなので、応援してあげてね。イベントよろしく」、要約するとこんな感じのXでの投稿(現在は削除され、ご本人の中ではなかったことに。しかも、どんどんツイートを消すという悪手をしており、わざわざ燃料を投下しています。このような方はSNSをやるべきではありません。SNSは便利ですが、使い方を間違えると自分に刃が向く諸刃の剣です。一度アップしたものは消えません。消せばどんどん増殖します)に、「?。大丈夫かこの人。」と率直に感じてしまいました。

これでは、「万引きしても、お金を払えば問題ないでしょ。お詫びにお店の宣伝をしておいてあげる」と言っているようなものです。

他企業も調査を始めているので、事態は非常に深刻だと思います。映画「シークレット・メロディ」の告知をしている場合ではないと思います。イラストグッズをオンライン販売されていますが、回収騒動になる前に引っ込めた方が良いのような気が・・・。損害賠償が大変なことになりそうです。

ネットや雑誌から適当に写真を引っ張ってきて、それをなぞって色を付けるだけなら、塗り絵と変わりません。それを著作権者に無許可で行なって、それをお金をいただいて納品したとなれば、依頼主は激怒するのは当然です。

それにしても、たくさんの書籍を出し、過去の投稿でも著作権について触れられており(古塔つみ氏の件ではバッサリ切り捨てられており、ブーメランになっていますが)、実は「お前も同類だったのか」という状況はとても残念です。

確かに、一から自分で考え、何度も下絵を描いて作品を作るのは大変な労力と時間がかかります。手を抜け、という悪魔の誘惑に惑わされるリスクは常に付き纏います。ゴーストライターも同じです。

この話は、粉飾決算で上場廃止になったオルツにも通じるところがあります。プロ(プロフェッショナル)は依頼主の信頼に応えてくれる、という期待感があるからこそ発注してもらえるのであって、お客様に迷惑をかけないように最低限のマナーを守って仕事をするからこそプロと呼ばれるわけです。今回はその前提が崩れてしまったわけです。

著作権違反にギリギリならないから問題ない、という論調も見られますが、それはちょっと論点が違いますね。そもそも疑われないようにするのがプロです。すでにあちこちに迷惑をかけているのですから、この時点でプロ失格です。これがOKなら、生成AIはOKでしょう。イラストレーター自身が自分の地位を危うくしていることに気付くべきです。

ネット民が次々に掘り起こしていますが、この調子で行くと、トレパクした作品はかなりの数にのぼりそうです。オルツの売上の9割以上が実は架空だった、という状況に似ています。「ちょっとそれはないでしょう」と言いたくなってしまいますよね。

影響拡大の江口寿史氏「トレパク疑惑」騒動 「桜美林大学」イラスト利用中止&グッズ販売停止へ

漫画家の江口寿史氏が手がけた一部商業イラストをめぐり、制作にあたって第三者の写真を無断流用した可能性が疑われ、X上で波紋が広がっている。

10/6(月)  J castニュース ニュース&メディアウォッチ

ルミネ荻窪、江口寿史氏参加予定のトークイベントの中止を発表 『中央線文化祭2025』告知ビジュアル騒動受け

漫画家・江口寿史氏がルミネ荻窪『中央線文化祭2025』(10月18日・19日開催)の告知ビジュアルについて、SNS上に投稿された写真を事前の承諾なくモデルとして使用し、イラストを制作していたことをめぐり、ルミネ荻窪は7日までに新たに声明を発表。当該ビジュアルを今後使用しないことに加え、江口氏が参加予定だったトークイベントの中止を発表した。

2025/10/7 オリコンニュース

ネット民が掘り起こした、広島カープのイラストは、確かに、左右反転したものの、ロゴと背番号がそのままというのは不自然ですね。右肩が上がっているのだから、ロゴは左側に傾いていないとおかしい。

このやり方で長年仕事をされてきたのだとすれば、いまさらやり方を変えるのは無理でしょうから、廃業するしかないかもしれません。訴訟も大変そうですが。

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