深海に行く方が宇宙に行くより難しい

タイタニック号を見るために、水深3800mまで潜ろうとしたタイタン号が水圧で押し潰され、乗員5人全員が死亡したそうです。

あのような狭い空間に5人も入り、しかも、外からボルトで固定してしまうため、中から開けることは不可能とのこと。最初は、酸素が無くなって窒息死するのでは、というニュースで持ちきりでしたが、実際はそれよりももっと前に、ほぼ瞬間的に破壊が起き、即死したようです。

深海に行く方が宇宙に行くよりも難しいと言われます。実際、地上では1気圧ですが、宇宙は真空なのでほぼゼロ気圧。つまり、地上と宇宙の気圧差はたったの1気圧です。これに対して、水深3800mでは380気圧にもなります。

3800mの山というと、ほぼ富士山の高さになります。富士山にはたくさんの人が登っていますが、富士山頂の気圧は地上の3分の2だそうで、3800mの深海とは大変な違いです。

それだけ水が重いということでもあります。

よく、タンクなど中身をカラにした上で真空にしてどうなるか実験する動画がありますが、見事にペシャンコになります。これと同じことがタイタン号にも起きました。

あれだけの水圧に耐えるためには、球状にするのが常識でしょう。また、潜った後に毎回バラして精密検査をする慎重さが必要だと思います。甘く見ていたとしか思えず、無謀な冒険だったと言えます。

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