贋作とAIによる鑑定書

偽物の絵画を300点以上!? 贋(がん)作師の独白

ことし、四国地方の美術館が所蔵する絵画に、次々と持ち上がった偽物疑惑。
取材を進めると、ドイツ出身のある男にたどり着いた。男の名はヴォルフガング・ベルトラッキ氏。
この男、300点もの偽物を描いたと自ら語り、少なくとも17億円稼いだと見られている。
驚くべきは、“ただ模倣しコピー品を作る”という従来のイメージを覆す、独自の手法。
今回、取材班はベルトラッキ氏本人を直撃、“ニセモノ作り”の真相を聞き出すことができた。
いったいどんな考えで数々の偽物を作るに至ったのか?その人物像は?驚愕の手法とは?

2024年12月11日 NHK

今回のNHKのクローズアップ現代は興味深かったです。

“模倣ではなく本人になりきって描く” 独自の手法とは

まねるのではなく、本人になりきって作品を描く方法を編み出したというベルトラッキ氏。
本物の作品を美術館に見に行くなど絵画の研究を突きつめることに加え、画家の人物像まで知ろうと考え、画家本人が書いた手紙を読むなどして、いわば“自らにひょう依させるように”、とにかく調べ尽くすのだと語りました。

同上

戦争中に失われた作品など、写真も残されていない絵画がターゲットなのだとか。つまり、本物かどうかは誰も確かめようがない。しかし、作品は確かに存在した。絵画版の背乗りですね。

なお、興味深かったのが、人によっては、人間が鑑定するよりもAIの鑑定を信用するとのこと。そこで、オークションハウスでは、AIの鑑定書を付ける場合もあるのだとか。

そのうち、企業の財務報告でも、AIの監査報告書の方が信頼されるようになるのかもしれませんね。

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