科学技術の分野では圧倒的な人気を誇るディストリビューション「Anaconda3」ですが、Macではこの取り扱いには注意が必要です。
というのも、Macでは、TensorFlowとの相性が良くなく、また、パッケージ管理ソフトHomeBrewと競合することもあるので、何も考えずにインストールしてしまうと後で困ったことになってしまいます。
不具合が生じてしまった場合は、いったんAnaconda3をアンインストールして、環境を再構築した方が早い場合が多いです。ところが、このアンインストールが一筋縄ではいかなという問題があります。
わたしも、何度かアンインストールをして、何度もやり直す羽目に陥りましたので、ここで備忘として残しておきたいと思います。
Anaconda3のアンインストールの手順
Anaconda3のアンイストールの手順にはいくつかの方法がありますが、以下の方法が比較的簡単かつ安全ではないかと思います。
手順は大きく分けて4つになります。
- anaconda-cleanのインストールと、anaconda-cleanの実行
- 「~/.bash_profile」と「~/.zshrc」の内容を削除
- anacondaディレクトリの削除
- Anaconda-Navigatorアプリへのショートカットを削除
anaconda-cleanのインストールと、anaconda-cleanの実行
Anaconda3では、anaconda-clean を実行することで、Anaconda や Python 関連ライブラリが作成したデータを削除することができます。しかし、「anaconda-clean」はインストールしないと使えないため、まずインストールが必要です。
ターミナルを開いて、以下のコマンドを入力すると、インストールが始まります。
$ conda install anaconda-clean
インストールが終わったらい、以下のコマンドを実行します。
$ anaconda-clean
途中、実行して良いか、(y/n)と聞かれますので、すべて「y」と入力します。
「.anaconda」を削除すると、バックアップディレクトリが作成されますので、 バックアップが不要な場合は、以下のコマンドで削除します。
$ rm -fr ~/.anaconda_backup
「.bash_profile」と「.zshrc」のAnaconda3へのPathを削除
「.bash_profile」と「.zshrc」にAnaconda3へのPathが追加されており、これを手動で削除する必要があります。
また、Anaconda3 がどこにインストールされているかを把握する必要があります。Finderで検索しても良いですし、ターミナル上で以下のコマンドを実行しても良いです。
$ env
ファイルの場所を確認したら、「.bash_profile」の内容を以下のコマンドで確認します。
$ cat ~/.bash_profile
Anaconda3の内容しかない場合は、全消去で良いので、以下のコマンドでエディタを開き、
$ vim ~/.bash_profile
以下のコマンドを入力し、内容を削除します。
:%d
次に、以下のコマンドを入力し、ファイルを閉じます。
:wq
もう一度、以下のコマンドを実行し、削除されているか、確認します。
$ cat ~/.bash_profile
「.zshrc」も同じ操作を実行します。
anacondaディレクトリの削除
Anaconda3のファイルの場所はわかっていると思いますので、フォルダごとゴミ箱に放り込みましょう。
Anaconda-Navigatorアプリへのショートカットを削除
Finderのアプリケーションに「Anaconda-Navigator」へのショートカットが残っていますので、これを削除します。
以上で作業は終わります。完全にアンインストールが完了しました。