オルツ 売上高の9割が過大計上

報告書を見ると、2022年度には91.3%もの売上高の課題計上です。強烈ですね。これほどの架空計上を見逃していたとなると、会社の役員は当然として、監査法人も大変です。

監査役には、監査法人出身者が2名もいたのにです。

2024年10月の上場で、有価証券報告書はまだ1期分しか公表されていませんが、内容を見ると確かに異常です。よく監査法人の審査が通ったな、という印象です。

売上高が60億円に対して、広告宣伝費が46億円というのは明らかに異常です。他に業務委託費が10億円、研究開発費が13億円もあり、合計すれば、60億円です。還流を疑うべきでした。現に、前任の監査法人は疑っていたわけですから。

これだけの広告宣伝費を使っていたなら、どこかで広告なり宣伝を見ていておかしくありません。でも、わたしもこの事件を知るまで、オルツなどという会社は知りませんでした。監査の時に、どのような広告がされているのか、その実態を確認しなかったのでしょうか?

AI新興オルツ、売上高の最大9割過大計上 不正会計で調査結果

人工知能(AI)開発のオルツは25日、過去の決算で計上した売上高のうち最大で9割が過大計上によるものだったと発表した。主力のAIを使った議事録作成サービスで利用実態の伴わない取引を売り上げに計上し、第三者委員会を設置して調査を進めていた。第三者委から調査報告書を受領したとし、28日に詳細な報告書を開示するという。

2025年7月25日 日本経済新聞

民事再生と言っても、上場したばかりなので、現預金が2024年12月末時点で(1Qの決算短信は出ていない)46億円もあり、負債が24億円と言っても、他の場合とは事情が違います。

AI新興のオルツ、民事再生法を申請 東証「IPO監査の信頼揺るがす」

人工知能(AI)開発のオルツは30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。負債額は約24億円。東京証券取引所も同日、オルツを8月31日付で上場廃止にすると決定した。同社は2024年10月に新規上場したばかり。売上高の最大9割の過大計上を見逃しており、新興市場の上場審査や監査の体制が問われる。

2025年7月30日 日本経済新聞

オルツ粉飾「経営陣が関与」 第三者委報告、社長は辞任 監査法人・VCも見逃す

人工知能(AI)開発のオルツは28日、第三者委員会による調査報告書を公開した。売上高の過大計上による影響額は約119億円にのぼる。同委員会は「極めて不適切な行為。強い非難に値する」とし、経営陣の主体的な関与を指摘した。米倉千貴社長(48)は同日付で辞任した。監査法人やベンチャーキャピタル(VC)も粉飾決算を見逃したとされ、新興市場の上場審査の信頼性が揺さぶられている。

2025年7月29日 日本経済新聞

常識的に考えて、経営陣が関与しなければできない取引です。それにしても、監査法人がこの異常とも言える広告宣伝費をなぜ追求しなかったのか、謎です。怖くてサインできないと思うのですが。

オルツ、日置友輔新社長が9月に辞任へ 臨時株主総会で

人工知能(AI)開発のオルツは31日、臨時株主総会を9月3日に開いて日置友輔社長兼最高財務責任者(CFO)が取締役を辞任する手続きをとると発表した。不正会計問題の再発防止に向けて組織改革に取り組むため、31日の取締役会で浅沼達平経営企画部部長ら3人の取締役を追加選任することも決めた。

2025年7月31日 日本経済新聞

後始末は大変です。監査法人も大変です。

現在は、AIがかつてのサウスシーバブルを招いている面があります。確かに、AIは社会を変えつつありますが、あくまで道具です。人力から蒸気機関になり、馬車が自動車になったようなものです。

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