AIは人間を操るのか

AIが人間を超えるというのは、まだまだ先だと思います。

まず、今の生成AIは莫大なエネルギーを必要とします。ChatGPT3の場合でも、原発1基分以上の電力を消費しているのだとか。それに比べて、人間の脳はわずか20ワット程度と言われています。白熱電球よりも少ないです。これは驚くべきことだと思います。

今のところ、生成AIは万能ではありません。絵を描く、文章を書く、といったように、一つの分野に特化したものがようやくできたところです。

ところが人間の脳は、いろいろなことができます。しかも同時にいろいろなことができます。しゃべりながら歩き、食べ、周りを見たり聞いたり、危険があれば避け、といったマルチタスクが可能です。これを達成するのは容易ではありません。

もっとも、画像生成、文章生成AI、音声AI、プログラミングAI、音楽生成AI、翻訳AIはかなり精度が良くなっているので、これらの分野ではAIが役に立つのは間違いないです。わたしもかなり利用させていただいています。

問題は、AIが人間を操るというよりも、人間はもともと騙されやすい、ということにあるのではないかと思います。今でも、投資詐欺など、いろいろなことで騙されてニュースになります。普通に聞いていると、なぜ騙されるのか、と不思議に思うのですが、毎回同じようなニュースが流れてきます。AIに限らず、すでに人間は操られているように思います。

人知超すAIは人を操る 「ゴッドファーザー」が語る脅威

人工知能(AI)が驚異的な速さで進化を続けている。あらゆる分野で人類の知能を上回る時代が訪れたとき、世界はどう変わるのか。

2024年3月9日 日本経済新聞
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