AI開発では、アルゴリズム、データ、モデルといったソフト面に目が行きがちですが、それは支えてくれるハード面があっての話です。
特に、AIは大量の電力を消費します。発熱もすごいので、冷却するための水も大量に必要になります。24時間稼働しますから、廃熱やファンなどの環境問題も発生するでしょう。
PC、半導体、電力、水、土地、近隣への対応といった土台がしっかりしていなければ、AI開発などできません。
新情勢下の電力安定供給の課題 小山堅 日本エネルギー経済研究所専務理事
電力需要の将来見通しにパラダイムシフトが起きている。先進国では最近まで、電力需要の伸びが停滞してきた。低成長と人口減少下の日本も減少傾向をたどっている。脱炭素化が電力化を促すことは言うまでもないが、それ以上に生成AI(人工知能)の急速な利用拡大と、それに伴うデータセンターの大幅増設に象徴される新たな情報革命により、電力需要が大きく増大する将来像が描かれるようになっているのである。
2025年5月2日 日本経済新聞
データセンターは迷惑?米ITの積極投資で建設増 騒音や排熱に懸念、近隣住民とあつれき
人工知能(AI)需要の高まりから全国でデータセンターの建設が相次いでいる。米IT(情報技術)大手などが積極投資を打ち出し、政府も誘致や産業集積に力を入れる。そのなかで、地域住民との間のあつれきも各地で目立ち始めた。
2025年4月9日 日本経済新聞
その廃熱を利用して新たなビジネスも生まれるので、面白いです。ヨーロッパでも同様の問題が広がっていて、実際に暖房や温水プールに活用しているそうです。
東電、データセンター廃熱利用の新技術 工場にエネルギー供給
東京電力ホールディングスはデータセンターの廃熱を再利用する技術を開発する。回収した熱を近隣の工場の空調機などに供給するシステムを2027年度に実用化する。生成AI(人工知能)の普及に伴って電力消費が増大するデータセンターを周辺の熱源とする。
2025年4月25日 日本経済新聞