医療脱毛サロンで過去最大規模の消費者被害

債権者数は9万1800名で過去最大規模の消費者被害

医療脱毛サロン「アリシアクリニック」展開の美実会が破産

 医療法人社団美実会と関連法人の一般社団法人八桜会は、12月10日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

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 医療法人社団美実会は、2010年(平成22年)1月創業、同年9月に法人改組された。自由診療の全身医療脱毛・医療レーザー脱毛などを行う「アリシアクリニック」を全国で運営し、テレビCMなどで知名度を高めてピークとなる2021年4月期には年収入高約163億1500万円を計上していた。 一般社団法人八桜会は、2021年(令和3年)7月に設立され、医療脱毛クリニック「じぶんクリニック」を運営していたが、今年7月に施設名を「アリシアクリニック」に変更していた。

2024/12/10(火) 帝国データバンク

医療脱毛のアリシアクリニック破産へ 債権者9万人

 医療脱毛の「アリシアクリニック」を全国で展開する医療法人社団「美実会」(さいたま市)と一般社団法人「八桜会」(東京)は10日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。帝国データバンクによると、負債総額は計約124億円。債権者は施術の回数券などを購入していた会員らを中心に約9万2千人に上る。

 帝国データバンクによると、アリシアクリニックはテレビCMなどにより顧客を獲得し、首都圏を中心に全国で施設を展開。今年10月に取引先の企業が破産手続き開始決定を受け、約75億円の未回収金が発生していた。店舗は今月4日から新規予約受け付けを停止しており、10日付で営業も停止した。

2024年12月10日 日本経済新聞

全国に43店舗で、大阪にも4店舗あるみたいですね。

美容医療行為でのトラブルだけでなく、このような金銭トラブルもあるので要注意です。破産手続きですから、基本的には前払い分について全額を取り戻すことは難しいでしょう。

(1) 美容を目的とする医療サービス(以下「美容医療サービス」という。)に関しては、近年、不適切な勧誘や解約等に関する消費者トラブルが増加していることから、相談件数等を勘案し、一定の美容医療サービス(レーザー脱毛、漂白剤を用いた歯のホワ イトニング等)が特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)の「特定継続的役務」に追加され、平成 29 年 12 月 1 日に改正法令が施行される。

(3)今般、特商法の「特定継続的役務」に一定の美容医療サービスが追加されたこと、また、「特定継続的役務」に定められた役務は、これまでも割販法に規定する「指定権利」・ 「指定役務」に指定されてきたことを踏まえ、美容医療サービスを割販法の「指定権利」・「指定役務」に指定することとする。

平成29年11月 割賦販売法施行令の一部を改正する政令案の概要 (美容医療サービスの指定役務等への追加) 経済産業省商務・サービスグループ 商取引監督課

でも、美容医療サービスが割賦販売法の「指定役務」になっているようですので、営業保証金、前受金保全措置が取られてると思います。それでも、前受金の半分なので、半分は泣き寝入りですね。それとも、保全措置を守っていなかったのでしょうか。

また、現金やクレジットの一括払いの場合は救済はほぼないようですが、分割払い、ローンの場合は停止できる場合もあるとのことなので、急いだ方が良いでしょう。

それよりも、可哀想なのが従業員の方たちです。この年末に突然解雇で、しかも給料やボーナスが払われない、となると生活が立ち行かなくなってしまう方もおられると思います。

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